私はいわゆる「超箱入り娘」でした。一人っ子で女の子だったこともあり、周囲の人に甘やかされて育ちました。一人で電車に乗ったこともなく、一人で病院に行ったこともない。
一人で、スーパーで買い物をしたことすらほとんどありませんでした。何かする時には、いつも傍らに大人がいました。
そんな私が、大学に入学し一人暮らしを始めました。いきなり、何をするにも「一人で」になりました。今まで、親に頼りっぱなしだった私は、当然その「一人ですること」の壁にぶち当たりました。病気になってもけがをしても、助けてくれる人はそばにいない。どこに遊びに行くときも、雨天の登下校でも、親の車はもうありません。その時の私は親がいないことに対する孤独感よりも、自分がこんなにも「何も」できない存在なんだという事を目の当たりにし、情けなく思う気持ちでいっぱいでした。
しかし、いつまでの落ち込んでいても何も始まらないので、とにかくやってみようと思いました。
初めて一人で行った病院は眼科で、受診する前に何度もネットで「眼科 受診 方法」と検索し、友達にもアドバイスを聞き、万全の準備をして行きました。スーパーで買い物をする時は、はじめになるべく優しそうな顔のレジ担当さんの所を選び、前の人の会計の仕方をよく見て真似をするようにしました。こんな風に、普通の人ならやらないような、大げさな事を何回も繰り返して今に至ります。電車に乗ることとスーパーで買い物をすることには慣れました。(病院は緊張しますが…)
他にも家事やゴミ出し、ATMの利用等、今までやってこなかったことをたくさん経験し、一人でできることも増えたと思います。
今振り返ると、一人暮らしを始めた頃は、何をするにも「周りに迷惑を掛けたらどうしよう」とか「失敗したらどうしよう」みたいなことばかり考えていました。それに比べ、現在は何かする時はとにかくやってみようという気持ちで、余計なことを心配することがなくなりました。なんでも一人でやるようになったことで、社会性の面において大きく成長できたかなと思います。
「何事も経験だ」ということを学び、初めてのことでも必要以上に恐れることなく挑戦してみることが大事なんだとわかりました。
今後は、やってみたいと思ったことには遠慮せずにチャレンジして、自分のできることの幅をどんどん広げていきたいです。やってみたら、意外と簡単に出来た。むしろ楽しかった。みたいなことが増えると思っています。これからの大学生活で、さらに自分が成長できるようにいろんな経験をしてみたいです。