
「自分の考えの視野を広げて、自分の可能性を広げたい。せっかく体験ができるのだから、やってみたい」という好奇心が、今回シドニー異文化体験ツアーに参加するきっかけでした。
自分が日本で何気なく時を過ごしている中で、赤道を超えた人達はどんなものを食べているのか、誰と過ごしているのか、どんなことを考えているのか、等々。緊張や楽しさというよりも「知りたい」という気持ちの中、飛行機で一日目を過ごしました。
シドニーと日本は違うところがたくさんありました。私が感じた違いの中で特にそれを敬緒に感じたのは「病院」です。
私はツアー中に体調が崩れ、23時頃タクシーで先生と共に夜間病院へ向かいました。タクシーの方に病院まで連れて行ってもらい、病院の受付に足を運んだ後から既に日本の病院とはシステムが異なっていました。なんと、受付の方に現在宿泊しているホテルまで聞かれたのです。私は、ここまで丁寧に詳しく聞くなんて、何だか安心するなと感じました。受付時にパスポートの確認が終わった後、私たちは、待合室で合計で約5時間ほど待ちました。この待ち時間の間だけでも様々なことを学べました。
二台壁に設置している液晶テレビ(片方音が聞こえなかったが、敢えて消しているのだろうか?)、自由にお水が飲める機械の設置、様々な国籍の方がいる中で、一貫して和やかに英語で会話する看護師さんたち。どれも新鮮でした。
看護師さんで一番衝撃を受けたのは医療形態です。なんと、日本の看護師さんとは違って看護師さんも聴診器を持って診察してくれたのです。日本であれば看護師さんは、お医者さんに患者の症状のカルテを渡したり、薬局への案内をしたり、治療をするとしても注射前のアルコール消毒ぐらいしかイメージが湧きません。しかし、シドニーでは看護師さんもお医者さんも『医師』として働いていたのです。もちろん、日本の看護師さんが劣っている等のマイナス的な比較をしたいわけではなく、いつか日本でもこのシーンを体験できるのかなと想像が膨らみました。
今回は、体調不良という思いがけないアクシデントが起きました。しかし、海外のリアルな日常を感じることができました。全部は聞き取れなかったし、同伴の先生が基本は通訳をしてくれましたが、自分の症状、感想を拙い英語で、身振り手振りを交えて話が通じたときはとてもうれしい気持ちになりました。
このツアーは、私の人生の糧となりました。体調不良という思いがけないアクシデントの中で得られる学びがあるということを実際に自分の身体で体験することができた貴重な経験でした。
人間、この先の人生で必ず思いがけないこと、苦しいこと、辛いことに当たると思います。その中でもまずは自分ができること、自分の置かれた立場を知る事、そしてその中でいかに楽しむかを考えることができたら大抵人間は何とかなることを教えてくれたツアーでした。これからも、自分が知らないこと、できないことに挑戦する姿勢を持つことを後押ししてくれたツアーでした。