R.M 人文社会科学部 2023年入学
自分以外の価値観を学んだ

 今回のシドニーツアーで私が目標にしていたことは、もちろん日本語が通じない場所で自分の英語を使って生活するというものもあったが、より重要視していたのは、自分とは異なる価値観や世界観で生活してきた人たちの生き方を学ぶというものであった。


 私は人間関係のもつれが嫌いで、親密な関係を築くことを避け続け、相手を心から信じることや笑う事、コミュニケーションを人並みにすることができなかった。しかし、今回のシドニーツアーでは現地の人の優しさや気さくさ、その人らしさや大雑把さを体験した。


 例えば、服装においてはモデルのような恰好をして堂々と歩いている人もいれば、Tシャツに短パンというシンプルな服装の人もいた。ここで私が注目したのは、服装の自由さではなく、みんな自分以外の人には興味を示さないように見えたことである。その人自身の中に揺らぐことのない自分がいて、それに沿って生きているような感覚が伝わってきた。日本にいるときには感じなかった個々の独自性や良いエゴに触れることができた。


 また私は、9月3日にコロナの陽性反応が出てしまい、4~6日を部屋で過ごすことになった。しかし、検査のために海外の病院に行ったことは普通に生活していればあまり経験することのない経験であり、非常に貴重な経験であったと考える。


 シドニーでは、人々が自由に生きているように見え、笑顔や電車内での会話が途切れず、人々が自分というものを見つめ、自分に合った生き方をし、人生を謳歌しているように見えた。このように若いうちに海外で文化や言語、価値観や世界観が異なる人たちを身近に感じられたことは非常に良かったと思っている。ある事務局の女性からアドバイスをもらった時には涙が出るほどだった。


 ツアー前に「たった数日の海外ツアーで何が変わるのだ」と言ってきた友人もいた。しかし、結局変わる力があるのは自分で、環境はそのきっかけに過ぎない。このきっかけを作り出す一歩を前に出せた私は、それだけでよく頑張ったと言えると思う。非常に新鮮で自分を変えられ、非常に価値のあるツアーであったと思う。


この先輩が利用した入学準備