チャーハン 農学部
一人暮らしの深夜の悲劇

一人暮らしを始めた最初の夏です。その頃の僕は期末の勉強をするために、よく図書館の閉館時間まで籠っていました。そんなある日のことです。いつも通り21時半頃に図書館を出て帰宅しました。 アパートまで着いたとき、その日はいつもはあまり気にしていなかった…というより、見て見ぬふりをしていた玄関の頭上に目がいきました。僕の住んでいるアパートの玄関には暗くなると勝手に点く街灯があります。その街頭には夜な夜な虫たちが寄ってきて日々小さな虫たちに悩まされていました。僕は農学部でありながら虫全般に対して過度な拒否反応を示すほどに虫が苦手であり、その中でもトップクラスの拒否反応を示すのが蜘蛛です。同じ学部の友達は蜘蛛は益虫だから良い虫なんだと言いますが、僕には関係ありません。あのフォルムを想像するだけでゾワゾワします…。 ここまで書いた内容で想像がつくことでしょう。そう、その日視界に入った頭上にらいた虫は蜘蛛なのです。それもかなり玄関の入り口に近いところに巣を張っており、今対処しておかないと明日の朝には玄関を開けたら鉢合わせてしまうという恐怖に煽られました。そう考えた僕は意を決して玄関を開け、虫たちと対等に戦うための武器であるアースジェットを持ち出し正面から立ち向かいました。 しかし、その時の僕はまだ浅はかでした。まさか、視界に入っている1匹のほかにまだたくさんいたなんて……。1匹との戦いを終えたあと、念の為にと振りかけた街灯の裏、そこが奴らの根城でした。突如糸をつたって落ちてくる無数の蜘蛛……。虫嫌いにとってこれ以上の恐怖はありません。家に逃げ込みたくても立ち塞がる落ちゆく蜘蛛。アースジェットが力尽きるまで僕は無心に振りかけ続けました。その後のことは無我夢中すぎてあまり覚えていません。 しかし、僕は学びました。蜘蛛がいなくなるスプレーを買おう。それからと言うもの、玄関、ベランダその周辺には一切の虫の侵入を許していません。 みなさんも、虫が苦手もしくは嫌いというのであれば、真夜中の戦いはおすすめしません。そして、虫よけスプレーは常備しておいてください。これが一人暮らしにおいて最も必要なものです。

この先輩が利用した入学準備