このシンガポールツアーは、参加したみなさんの、今後の人生において、「世界へ羽ばたき、国際社会で活躍する」ためのきっかけとなって欲しいと思っています。日本人は、内向的で人見知りしやすく、主張が苦手で本音と建前を使い分ける民族であるというイメージを海外では持たれています。「コミュニケーション」を苦手とする日本人は多く、コミュニケーション力にまつわる書籍が次々とベストセラーになるのもうなずけます。

しかし、実は「コミュニケーション」というのは多様で、「同調」を美とする日本式のコミュニケーションだけにとらわれる人生では、満足のいく人生を歩めないのではないかと思います。

世界には多様なコミュニケーションの形があります。自分のしたいことや考えていることをそのまま相手に伝え、共有し、理解してもらい、同様に相手のしたいことを受け取り、理解する。「人はひと、自分はじぶん、みんな違って当たり前」を根底に持つから、広い心で相手の主張を受け入れることができます。そのような異文化理解は凄いことではなく、コミュニケーション力があるわけでもなく、世界では「普通」なのです。このツアーで学生のみなさんに感じて欲しいことは、その一点に尽きます。

相手と違う考えを持つことを恐れ、存在しない不正解に萎縮し、一歩を踏み出すことから逃げてしまう。そういった「メンタルブロック」を取り除き、コミュニケーションのハードルを下げるとともに、狭い日本から広い世界へ視野を向け、活躍する人材になって欲しいと願っています。