第3話|「こころの病」は将来への不安から

一人暮らしの学生からは特に相談が多い

人に会って相談しづらいため、電話での相談が多く利用されています。
特に進路や人間関係による心配事に大学生が悩まされていることが多いようです。
(※大学生協調べ「学生生活無料健康相談テレホン」より

こころの相談主訴分類 件数 割合 1年 2年 3年 4年 大学院 その他
身体症状 63件 8.2% 8件 3件 3件 31件 18件 0件
精神症状 259件 33.8% 50件 17件 35件 93件 57件 7件
人間関係 239件 31.2% 24件 19件 94件 23件 72件 7件
学業の問題(進路等含む) 181件 23.6% 27件 13件 22件 67件 48件 4件
その他 25件 3.3% 5件 2件 7件 2件 8件 1件
合計 767件 100% 114件 54件 161件 216件 203件 19件

(3年 22歳)

大学に行きたくない。勉強についていけず、人間関係もよくない。中学までは友人と遊びにも行ったが、高校に入ってからは知り合いもおらず、人と距離を取っている。友人に「勉強が分からない」と言ったら、「どこがわからないの」と聞かれた。最近は夜も眠れず、学校に行くことを考えると頭痛がしてくる。

(院2年 25歳)

実家の母親とうまくコンタクトが取れずに困っている。一人暮らしをしているが、所属する研究室が忙しくアルバイトができないため、実家の仕送りでやりくりしている。貯金が底をつきお金がないので、母に相談したいが、電話をしても出ず、メールの返信もない。実家に帰る際、事前に連絡をするように言われているが、連絡が取れないので、どうしたらよいのかわからない。

(2年 23歳)

精神の調子を崩して大学に行けなくなり、一度地元に戻って精神病院に入院した後、大学に戻ったがやはり通えなくなった。調子が悪くなると自傷と薬の過剰摂取をしたくなるが今は我慢できている。だが、今日家に帰ってから両親に心無いことを言われて爆発してしまった。親が一番のストレスである。

(4年 23歳)

担当教授とうまくいっていない。勝手に卒業論文のテーマを変えるなどされた。質問しても、答えてはくれないばかりか否定するところから始まるので、何も言えなくなる。食欲もなく、睡眠時間も短い。教授とは一度も会わずに卒業論文を終えたい。

こころの病から最悪のケースも

まじめでやる気がある学生ほど、些細なキッカケで悩みを抱えてしまうことがあります。
誰にも相談できず、最悪のケースとなってしまうことはあってはならないことです。

警察庁まとめによる大学生の自殺の傾向(出典:警察庁「平成30年中における自殺の状況」)

💡 ワンポイントアドバイス

  • 一人暮らしだと、気軽に親にも相談できずに一人で抱え込んでしまうことが増えます。また、親に迷惑をかけたくない、逆に親だから言えない、ということも多いようです。
  • 大学進学直後や就職活動、大学院への進学などのタイミングで発生する傾向があります。
  • こころが成熟していない時期だからこそ気軽に相談できる友人関係や、利用できる相談窓口があると安心できますね。
  • CO·OP学生総合共済の「こころの早期対応保障」は、一人で抱え込む学生を一人でも減らすための制度です。

日常生活で気にかかっていることは?

<第55回(2019年)学生生活実態調査より>

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