広島大学のICT教育と広大生協への期待

以下は2023年度新入生に向けた情報です。2024年度新入生の方への情報は確定次第、更新します。

新入生、保護者必見!広島大学副学長に聞いた 広島大学のICT教育と広大生協への期待

渡辺 健次

広島大学副学長 (情報・IR 担当)

情報基盤整備を統括するとともに、「ICT」と「教育」をキーワードに「システム開発」を手法として幅広い研究テーマに取り組んでいる。

【広大生】 小田 一心

広島大学 教育学部 第一類 初等教育教員養成 コース

生協のPC 総合セミナーに2 年次からスタッフとして参加。普段の授業などでSurfaceを活用し、魅力を発信している。

青木 公司

広島大学 消費生活協同組合 新学期パソコン責任者

新入生関連事業の責任者。広島大学や各メーカーと連携しながら、新入生向けパソコンの調達を行っている。

大学教育に大きな変化があった3年間

青木
早速ですが、コロナが流行してから3 年、広島大学のICT 教育について、どのように変化がありましたか?

渡辺
我々大学教員についてはICT リテラシー、オンライン授業を行うためのスキルが向上しました。学生については、コロナ前はパソコンを文房具くらいの位置づけで、レポートを書いたり、情報収集したりが主な使い方でしたが、今ではパソコンがないと何もできなくなりました。授業もそうですし、今では就職活動もオンラインで行われています。広島大学生はノートパソコン必携でみな持っていたのでスムーズに対応できたと思います。大学におけるパソコンの位置づけが変わったということが大きな変化です。

青木
必携パソコンの要件もスペックやバッテリー駆動時間など、オンライン授業で困らないように変更されましたね。

小田
私はコロナ流行の年に入学し、授業はオンラインで行われていたので、授業でパソコンを使うことは当たり前になっています。1 日中パソコンを使っているので、すべての教室に各席コンセントがついていると安心できるのですが、難しいですか?渡辺:要望はどんどん聞かせてください。現在、各学部を順番にLED 照明にするなど学びやすい環境になるよう改修しています。小田くんの在学中に終えられるかはわかりませんが。少し話を戻して大学の変化という点で、e ラーニングのためのシステム、Moodle やMicrosoft Teams の利用が教員、学生ともに増え、履修や成績の管理がしやすい、確認しやすいという点も変化ですね。

小田
教育学部ではほかにもGoogle クラスルームを使用する先生もおられます。

渡辺
Google クラスルームは教育現場で使っている場合が多いですから、将来、教員になる学生のために使用されているのではないでしょうか。GIGA スクール構想で小学校、中学校、高校の環境も大きく変化しており、タブレットの使用やオンラインでの授業などは当たり前になっています。今後、入学してくる学生にとっては、今のICT 環境が当たり前なのかもしれません。

青木
GIGA スクール構想に関連して、大学で電子教科書を推進することはあるのでしょうか。

渡辺
電子教科書を採用する先生はおられると思います。私自身も紙の本を買わなくなって久しいです。プログラミングの授業などではパソコンの画面に電子教科書とプログラミング画面とを並べて表示させることができるので、電子教科書が適しています。ほかにも音声が聞けたり、ハイパーリンクで関連事項にアクセスできたり、デジタルのほうが可能性は広がります。すぐにではないですが、いずれは電子教科書が当たり前になるかもしれません。

対面とオンライン、授業の在り方は

渡辺
学生からすると、家でオンライン授業を受けるほうが楽なのではないですか?

小田
まあ、確かにそうですね(笑)。モニターもあって、暑い寒いもないので、家は環境が整っています。

渡辺
パジャマでもいいですしね(笑)

小田
でも、対面授業だと友達に会って話ができるというところがいいです。一人でオンライン授業を受けていると、ちょっとした疑問があってもわざわざ友達に連絡をすることもないですが、大学で会うと、休み時間に話をするということができるので、対面が増えた今のほうが同級生とのつながりが深くなった気がします。高校までは学校に行って同級生に会うということが当たり前でしたが、コロナ禍の1、2年のころを経て改めて学校に来て授業を受けている今は貴重な時間だと感じています。

渡辺
授業を受けるだけが大学ではないですし、オンラインだとウェットなコミュニケーションができないですからね。

青木
ちょうど話に出ました対面授業とオンライン授業を比べると、学生の満足度に違いはあるのでしょうか?

渡辺
オンライン授業は場所を選ばないなどメリットがありますが、一方でコミュニケーションがとりにくいというデメリットもあります。これまでどちらか一方だけだったので単純な比較はできませんが、学生の成績で見る限りでは差はないように、個人的には思います。

青木
最近では対面授業が戻ってきていると思いますが、今後の授業形態はどのようになると思いますか?

渡辺
対面で授業を行うということはもちろん大切です。一方で、事情があって大学に来られない学生が授業を受けられるという点では、機材の準備などコストはかかりますが、ハイブリッド授業をすることにも大きな意味があると思います。オンラインでの授業がなくなるということではなく、長所を活かす形でそれぞれの授業にあった形態が選ばれるのではないでしょうか。

大学生に持ってもらいたいパソコンのスキル

青木
大学として学生にパソコンをどのように活用してもらいたいですか?

渡辺
まず、これから社会に出るとキーボードが当たり前になるので、タイピングには慣れてもらいたいです。もう一つはセキュリティの意識を高めてほしいと思います。Windows アップデートやアプリの更新はきちんとしていますか?

小田
えーっと。パソコンが自動でしてくれているのでお任せしてしまっています(笑)。あまり意識はしていないです。

渡辺
アップデートが来たらすぐに更新をするくらいの意識を持ってもらいたいですね。常に気にしてもらいたい点はOS とアプリのアップデートをちゃんとする、ウイルスセキュリティを最新にする、バックアップをとりましょう、怪しいメールに気をつけましょうなど、片手で数えるくらいしかありません。今やパソコンやスマホだけではなく、様々なデバイスがオンラインに接続しています。社会人になると、個人の油断が組織全体に影響することもあります。スマホやパソコンが身近になっていますが、今のうちにセキュリティ意識は持ってもらいたいと思います。生協で行っているPC 総合セミナーでも、セキュリティ意識を高めるような内容を加えてほしいです。

広島大学生協に期待すること

青木
ICT 教育やパソコンなどの面で生協に期待されることを教えてください。

渡辺
4 年間大学で使えるパソコンを販売してください。学年が上がると使用頻度が増え、その時にパソコンの調子が悪いとなると困ります。コロナ前に比べて使用頻度が増えたということもありますが、大学に持ってきて大学生が使うというのは、会社のオフィスでの使い方とも違うと見ていて感じます。4 年間トラブルなく使えてほしいですね。

青木
そうですね。生協に持ち込まれる故障についても画面割れが多いです。性能や壊れにくいという面ももちろんですが、生協オリジナルパソコンでは4年間安心してパソコンを使用していただけるように、サポートや保証については特に力を入れて取り組んでいます。

渡辺
パソコンはひとり1台が当たり前の大学生活で、それを支える組織の一つとして追求してほしいということが、生協に対する一番の期待です。私が大学生だった頃も生協には食堂など毎日のように通っていました。何かあったときに身近で学生に寄り添った対応ができるインターフェースとなってください。コンピュータウイルスやフィッシング詐欺などのトラブルが生協に持ち込まれた場合は、すぐに大学へ連絡をください。協力しながら学生をサポートしていきましょう。

次の記事もおすすめです!